2018年8月2日(木)~8月22日(水)
月ー金 12:00ー19:00
オープニングレセプション:8月2日 18:00~19:30(作家在廊予定)
tagboat Galleryでは、大﨑土夢による個展「無自性のヌガー」を開催します。
大﨑土夢は、その独自性溢れる作品が注目される新進気鋭の作家です。
線と面、平面と立体、モノクロとカラー、暖色と寒色、短と長、濃と薄…相反する要素を巧みに利用しながら自身の経験や感情等をモチーフに、一つの世界を築き上げます。
作品は1つ1つ完結しているようでもあり、それでいて次につながるストーリーのようなものも秘めている、そのなんとも言えない独特な含みが、観る者の意識を作品世界へと引き込んでいきます。
2012年には MOTブルームバーグ・パヴィリオン プロジェクト入賞、2013年にワンダーシード入選、また2014年にトーキョーワンダーウォール賞を受賞するなど、その世界観が高く評価されるようになりました。
作品はすでに非常に高いクオリティーを誇るにも関わらず、その制作欲が作品をどこまでの境地へ押し進めてしまうのか見逃せない、まさに注目すべき作家です。
ぜひご高覧ください。
CONCEPT
●無自性(nihsvabhava)
われわれの日常経験的世界には種々様々な事物があり、
それらのものは一つ一つ名をもっている。
きまった一つの名前をもつということは、きまった一つの「本質」をもつ
―より正確にいえば、きまった一つの「本質」をもつかのように見える―
ということにほかならない。
インド思想の一般的習慣に従って、仏教はこの見地から日常経験的世界を
「名と形」(nama-rupa)の世界と呼ぶ。
「名と形」、つまり名前とその名前によって
喚び起される現われの形姿があるだけであって、
それを実在的に裏付ける実質はない、というのだ。
「名と形」が認知されるからには、そこに何らかの形で
「本質」が認知されているはずである。
だがその「本質」も、実は妄念の描き出す画像であって、
結局は空なるものにすぎない。
「この故に、一切の法は本より己来、言説の相を離れ、
名字の相を離れ、心縁の相(意識の対象としてのあり方)を離れ、畢竟平等」
と『起信論』がいっている(解釈分、三ノ一)。
「畢竟平等」、窮極的境位まで追いつめて観れば、なんの差別もない、という。
すなわち絶対無分節ということだ。
こうして、いわゆる「本質」は実に完膚なきまでにその虚構性を暴露され、
徹底的に実在性を否定されてしまうのである。
「本質」の否定、それを術語的には「無自性」(nihsvabhava)という。
意識と本質-精神的東洋を索めて- 井筒俊彦著 より参照
●ヌガー(仏:nougat)
紀元前よりのアラブの菓子ハルヴァに由来するもので、
クルミと蜂蜜によって作られていた。
これが中国にわたって牛軋糖(ニュウガータン)と呼ばれる菓子となり、
さらにフランスに持ち帰られることで、
南仏の名産品であり長期保存に耐えるアーモンドを使用する菓子に変わった。
時代と場所で名と形を変えながら食される菓子の一つ。
展示作品
大﨑土夢
1984年福岡県生まれ
東京都在住
個展
2015 「TWS-Emerging 2015 さいしんみどうとさんしん」 (トーキョーワンダーサイト渋谷 東京)
2015 「トーキョーワンダーウォール都庁2014」 (東京都庁第一本庁舎 東京)
2008 「OMOMA Subway」 (AD&A gallery 大阪)
2008 「大﨑土夢展」 (Gallery Den 大阪)
2007 「OPEN tHE Door」 (AD&A gallery 大阪)
2005 「OPEN tHE Door」 (D&DEPARTMENT 大阪/東京)
グループ展
2016 「ARTS CHALLENGE 2016」 (愛知芸術文化センター 愛知)
2014 「トーキョーワンダーウォール公募2014」 (東京都現代美術館 東京)
2013 「WONDER SEEDS 2013」 (トーキョーワンダーサイト本郷 東京)
2008 「Ignore Your Perspective 5」 (児玉画廊 大阪)
2006 「湖族の郷アートプロジェクト」 (滋賀)
受賞
2014 トーキョーワンダーウォール賞
2012 MOTブルームバーグ・パヴィリオン プロジェクト 入賞