2020年10月30日(金) ~ 11月19日(木)
営業時間:11:00-20:00
*最終日は18時close、他、館の営業時間に準ずる
入場無料
会場:阪急MEN’S TOKYO タグボート
〒100-8488 東京都千代田区有楽町2-5-1 阪急MEN’S TOKYO 7F
銀座、阪急MEN’S TOKYO 7F、タグボートのギャラリースペースにて、現代アーティスト・石井七歩による個展「ESCAPE」を開催いたします。
石井七歩は、村上隆氏のギャラリー“Hidarizingaro”にて開催のグループ展(2010年)、堂島リバービエンナーレ(2011年)への参加を経て、2012年には青森県立美術館にて美術館デビューを飾りました。その後も、上野の森美術館のVOCA展への選出など、その才能と力量を早くから開花し、彼女の描く近未来的な「街」の世界観は多くの美術関係者から高い評価を得ています。
幾重にも連なる四角の建築物に、髪の毛やケーブルを思わせる曲線を複雑に絡ませ、都市そのものを人体や軟体動物に擬態させるように描く石井。
デビュー以来、都市・文明と人間との関係性をテーマに作品を制作し続けてきました。
現在は写真とドローイングを組み合わせたシリーズや、造形、デジタル絵画、インスタレーションとその表現の幅を広げています。
タグボートでは初の個展となる本展では、ペインティング作品を含む新作約20点を展示・販売いたします。
緻密でリズミカル、かつ圧倒的な存在感を放つ石井七歩渾身の作品をどうぞご高覧ください。
【CONCEPT】
くりかえし増殖し、広がってゆく、どこか有機的なイメージ。
私は最近、以前に増してそんなイメージを偏愛するようになりました。それはなぜか。COVID-19の流行とその社会的反応を見るにつけ、世の中は今、異質な存在や不合理なふるまいを排除しようという巨大な潮流の中にあると感じます。たとえば白か黒かの二極化した善悪、きっぱりと引かれた境界線。まるで世界はハッキリと描かれた具象画なのだと言わんばかりの傾向です。その傾向はあらゆる物事をわかりやすく図解し、見かけ上の平等や正義や平和を達成するかもしれません。しかし、そんな世における「生きる感触」とでも言うべき実存的な世界観を思うと、私はあまり喜べません。凹凸は平され、シミや汚れは漂白され、全体的にツルツルと美しく、しかしざわざわするような手触りも感動もないのではなかろうか。抽象的な物言いですが、清く正しく美しく整備された、しかし感触に乏しい世の中で余生を過ごすと思うと、何だか辟易してしまいます。
ですから、手触りのある感じ、法則なく増殖し、抽象的に画面を覆い尽くし、蝕む感じ。最近私はそんなイメージが欲しくなるのです。きっと私の他にもそう感じる方はいらっしゃると思います。
今回は2種類の作品を出品します。増殖する円のなかに血管のような樹形が隠された『生の祝祭』。水平線(石垣島で撮影しました)に浮かぶ、幻影のようなビルの形『海と都市』。お楽しみいただけますと幸いです。
・石井七歩 展「ESCAPE」インタビュー動画
「生の祝祭 – 戻れない」116.7 x 91 cm
「 生の祝祭 – エスケープ」40 x 40 cm
「 生の祝祭 – 種」40 x 40 cm
「 生の祝祭 – カオス」40 x 40 cm
「 生の祝祭 – COVID-19」40 x 40 cm
「 生の祝祭 – クライシス」40 x 40 cm
「 生の祝祭 – あこがれ」40 x 40 cm
「 生の祝祭 – たぎりたつ霊感」40 x 40 cm
「 生の祝祭 – エスケープ」 20 x 20 cm,
「生の祝祭 – カオス」20 x 20 cm
「 生の祝祭 – 新月」20 x 20 cm
「 生の祝祭 – はなびら」20 x 20 cm
「海へ – あの日の影」38.9 x 45 cm
「海へ – どこから」38.9 x 45 cm
「海へ – 遠い玉響」40 x 60.3 cm
「海へ – いつかの精霊」40 x 60.3 cm
「海へ – 白の記憶」40 x 60.3 cm
「海へ – 時のふるえ」40 x 60.3 cm
【PROFILE】
石井七歩 Naho Ishii
美術家。1991年東京生まれ。東日本大震災が発生した2011年に芸術家としてのキャリアをスタートさせ、様々なメディウムを用い、都市化する人間の構造について熟考し疑問を呈しつづけている。現在は東京を拠点にインディペンデントに活動中。
-主な展覧会-
2011年 堂島リバービエンナーレ2011 “ECOSOPHIA” ~アートと建築~(堂島リバーフォーラム/大阪)
2012年 超群島 HYPER ARCHIPELAGOー ポスト3.11のアーキテクト/アーティストたちの世界観(EYE OF GYRE/表参道)
2012年 超群島-ライト・オブ・サイレンス(青森県立美術館/青森)
2013年 VOCA展(上野の森美術館/上野)
2013年 Intolerance World(GallaryPONCOTAN/札幌)
2016年 【個展】Broken Tokyo(中銀カプセルタワー/銀座)
2017年 六本木アートナイト(東京)
2018年 道後オンセナート(道後温泉街/愛媛)
2018年 【個展】Her name is Metropolis(阪急MEN’S東京/銀座)
2018年 TOKYO ILLUSION 東京幻境日本當代藝術展(台中軟體園區Dali Art藝術廣場・台湾)
2019年 ドリス ヴァン ノッテン主催 INTERPRETATIONS TOKYO−17世紀絵画が誘う現代の表現(原美術館/東京)
-主な受賞歴-
2012年 GEISAI#16・飯田高誉賞
2017年 Independent Tokyo 2017・池内務賞