銀座、阪急MEN’S TOKYO 7F、タグボートのギャラリースペースにて、アーティスト・ホリグチシンゴによる個展「The Field and Daylight 3.2」を開催致します。
ホリグチシンゴは、厚紙で実際に作った模型やドローイングを組み合わせ、実空間に小さなインスタレーションを創り出します。創り出した空間は写真としてデータ化し、空間のアウトラインや模様を抽出することで下図を作り、作品を制作していきます。
彼が行うこのプロセスは、自身が手で線や色を加えることによって画面に手触りを与え、目で見たときや写真で撮影したときとは異なる要素を生み出します。
空間をカメラで撮影して抜き取った無機質なデータから、彼自身も予測できない作品を作り上げているのです。
本個展では、15点の新作を展示・販売致します。情報でも物質でもない、言語の外側にある何かを是非ご高覧下さい。
EC販売
「トーテムジャンクション / Totem junction」
2021 H162×W130.3×D2.1cm
エマルションペインティング(キャンバス、膠、乾性油、顔料)
「ナイトホークス / Nighthawks 」
2021 H28.3×W42×D0.1cm
エマルジョンペインティング(楮紙、膠、顔料、銀箔、サイアノタイプ )
「シグナルス / Signals 」
2021 H40.3×W34.5×D1.8cm
エマルジョンペインティング(楮紙、膠、顔料、銀箔、サイアノタイプ )
※EC販売は12/28(水)13時からを予定しております。ご購入希望の方は、作家ページからご購入くださいませ。
※店頭販売を優先しておりますので、ご希望の作品がECにてご購入頂けない場合もございます。予めご了承くださいませ。
CONCEPT
厚紙で作った構造物のマケットや落書きを日常的に作り貯めておき、それらを組み合わせて撮影したものをPC上で編集しながら図像を決めていきます。キャンバスの作品やレリーフの作品はこの図像を転写して画材で描画したもので、コラージュの作品は写真やスキャンした落書きのデータを日光写真で和紙に感光し、それらを繋げたものです。
マケットを作る工程やそれらを組み合わせる工程、支持体に描画していく工程、など、それぞれの工程は階層状に独立していて、各階でそれぞれ偶然的、感覚的な選択が行われます。階層が上がっていくことで、自分の選択も階層状に重なっていくので、その選択の背後にある自分の癖や美意識もまた階層状に作品に反映されていきます。自分の制作は、これを続けるほど、マケットや落書きが膨大に蓄積されていき、それらの組み合わせによって生じるイメージの可能性が無限通りに広がっていきます。
マケットやドローイングの素材が組み合わさってイメージが出来ていく過程には言葉を介しません。それは意味や目的がない状態でもイメージを作ることが出来るということです。自分にとってイメージは“作ること”ではなく“見出す”という感覚の方が近いかもしれません。それぞれの素材が組み合わさった時に、その組み合わせから言いようの無い磁場(オーラ?霊性?)のようなものを“見出した”時に制作の次の工程へ進むための、その時点での確証を得るのです。
この制作のプロセスは、自分の内にインストールされた作品を生成するアプリのようなものだろうかと考えています。重要なのは、作品を作る一連のプロセス自体、制作をする中でアプリのように少しずつアップデートしていかなければいけないということです。個別の作品の制作がこのプロセスを通して一人称的に行われているとすると、その制作を制御しているプロセス自体は三人称(≒メタ)的にアップデートする必要があります。それは自分の制作がただの作業に陥り作品が自明性の中に閉じていくことを避けるためです。
三人称の視点でアップデートするということは、明確に前よりも良い制作を目指そうということになりますが、ここで言うより良い制作とはどのように定義づけ出来るのか。私は自分の作品の中に含まれる、作品が自律する為に必要な構造を鑑賞、解釈した上で、それをより複雑にし、強度をあげるように試みることだと暫定的に考えます。私は絵画というメディアには、作品が自律する為の構造にまだ未発見の領域が残っていると直感的に思っていて、自分の制作のプロセスをアップデートしながら、この領域を探し当て引き摺り出すことを、アーティストとしての目的に設定しています。
簡単に言うと誰も見たとことがない絵を描きたいということです。
ホリグチシンゴ
Artist Interview
12月28日(火)よりtagboatにて個展を開催するホリグチさんに、これまでの制作とアーティストとしての目標についてお伺いしました。(インタビュー・テキスト= 寺内奈乃)
PROFILE
1993 年 京都府生まれ
2016 年 多摩美術大学絵画学科日本画専攻 卒業
2018 年 多摩美術大学大学院 修士課程日本画研究領域 修了
■個展
2018 年
The Field and Daylight2.0/アートスペース羅針盤
Drone’s eye(half a person) / tagboat
2019 年
Vapor under the city/数寄和
BEAST / HUMAN / MACHINE/亀戸アートセンター
2020 年
FUZZY CRAWL/アートスペース羅針盤
2021年
The Field and Daylight 3.0 /数寄和
■グループ展
2018 年
第 13 回大黒屋現代美術公募展/板室温泉大黒屋(那須高原)
Independent Tokyo 2018 U25 /浅草橋ヒューリックホール
ギャラリーヘ行こう 2018/数寄和
助手展 / 多摩美術大学アートテーク(以後 2021 年まで毎年出品)
2020 年
ギャラリーへ行こう 2020 /数寄和
Drawing exhibition “SENSITIVE-event” (アオタ マミ 2 人展)/ CLOUDS ARTS +COFFEE
羅針盤セレクション 杉山佳 / ホリグチシンゴ / 水谷栄希 三人展
2021 年
タマビ DNA / 多摩美術大学アートテーク
as if / 数寄和
目と的 / merdre
■賞歴
2014 年 八王子市夢ビエンナーレ奨励賞
2016 年 神山財団藝術支援プログラム第 3 期
2017 年 神谷美術館 絵画コンクール 2017
2018 年 第 13 回大黒屋現代美術公募展 入選
ギャラリーヘ行こう 2018 数寄和賞
Independent Tokyo TAGBOAT 特別賞
HP:https://syrocmaunderworld.tumblr.com/
Instagram:@horiguchi_shingo1993